飛鳥時代に作られた仏像、その特徴と価値は?

日本に仏教が伝わった飛鳥時代、その影響で国内では数々の仏像が造られました。

今回は飛鳥時代の仏像の特徴、そして実際に仏像にはどれだけの価値があるのかについてご紹介します。

スポンサーリンク
asuka-jidai.comレクタングル大?

飛鳥時代前期の仏像の特徴

飛鳥時代に仏教が伝わり、鳥仏師(止利仏師)らが来日して多数の仏像を残しました。

飛鳥時代の仏像は大別すると、前期(推古天皇時代)と後期(舒明・皇極天皇時代)とに分けられます。

前期の仏像の一番の特徴は、目は杏仁型、口は仰月形(薄い唇で、口角が上がった形)になっており、左右対象そして平面的な感じが強くなっています。

人間的な表情とは違って、図案化されたような硬い表情ともいえます。

代表的なものとして、飛鳥大仏や法隆寺の釈迦三尊像などがあげられ、この頃の像の表情は「アルカイックスマイル」といわれる、顔の表情を極力抑えながら唇の両端をわずかに上げて、口元だけ微笑んでいるという特色があります。

飛鳥時代後期の仏像の特徴

飛鳥時代後期に造られた仏像はまだ写実性は薄いものの、前期に造られた仏像よりも表情に人間味を増し穏やかな顔になっていきます。

前期に造られた仏像は正面から見ることだけを意識して造られていましたが、後期のものはやや側面感が強くなっています。

表情の硬さは減ってきていますが、アルカイックスマイルの名残はまだ残っています。

代表的なものとしては、中宮寺の弥勒菩薩像等があげられ、この像はかつての50円切手の図案でした。

この頃から表情に立体感が出て、仏像の格好も自由なスタイルになってきます。

台座に腰を下ろし、左足を下げて右足を曲げて左膝の上に置き、右手で頬杖を突く形の「半跏思惟像」など、表情にもスタイルにも自由度が増していきました。

飛鳥時代の仏像の価値

飛鳥時代に造られて現存している仏像のほとんどが国宝となっており、実際に価格査定ができないことから、売買することは不可能です。

2008年に運慶作の重要文化財クラスの仏像がニューヨークのオークションに出されたことがありました。

その時は日本の宗教団体が14億円で落札したとされています。

その頃にはその仏像は未調査であったために、文化庁の指定が遅れていて、あやうく重文クラスの仏像が海外に流出するという事態になった事が報じられました。

現在では国宝を含む指定文化財は「文化財保護法」という法律によって海外への流出は原則禁止となっています。

仮に国宝級の仏像が売りに出されることがあったとしたら、数十億円・数百億円以上になる事は必至ですが、仏像が宗教的な意味合いが高いことから、他の宗教の国には高値では取引されないとも推測できます。

国宝である飛鳥時代の仏像は、そのもの自体の価値だけではなく、1000年以上の昔から日本という国を見続けていたという意味での「日本の宝」なのではないでしょうか。

スポンサーリンク
asuka-jidai.comレクタングル大?

asuka-jidai.comレクタングル大?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする