飛鳥時代・奈良時代の中心地奈良と、京都との文化的な違いとは?

飛鳥時代・奈良時代に日本の中心地であった奈良地方と、平安京の置かれた京都、時代も地域も近いのですが、文化に関して大きな違いがあります。

今回は、奈良と京都の文化の違いを、いくつかの面からご紹介していきます。

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奈良の文化と京都の文化

飛鳥時代・奈良時代には、飛鳥文化・白鳳文化・天平文化などが栄え、1300年以上経った現在でもこの時代の建築物や仏像などは奈良に多数遺されています。

これは地震が多く戦乱の多かった日本において、驚くべき事だと思われます。

源平の争いや戦国時代の戦乱によって、東大寺やその周辺の寺院は何度か焼失していますが、法隆寺の建造物や仏像などの文化財は、天平時代のものが現存しているのです。

奈良の仏像は、その技術が発展して造られた京都のものよりも地味に見えるものが多いですが、歴史的価値はとても高いものです。

奈良の文化に比べて、北山文化・東山文化などの中心地となった京都の文化は、いわゆる日本風で、「日本らしさ」を感じることができる文化です。

京都の文化は奈良と比べると、日本人がイメージする古都そのもので、特に庭園に素晴らしい作品が多いとされています。

しかし残念なことに、室町時代に起こった応仁の乱や戦国時代の騒乱によって、京都の文化財は大きな被害を受けてしまい、それ以降に再建されたものが多くなっています。

奈良と京都の文化財の数

奈良と京都の文化財の数を比べてみます。

国宝の数は、奈良198件・京都226件、重要文化財は、奈良1377件・京都2241件となっており、全国でも有数の文化財の宝庫となっています。

全国の国宝の総数は1079件、重要文化財は12709件で、全国的にも奈良と京都にある文化財の比率が高いことが窺われます。

ちなみに登録数が一番多いのが東京都で、国宝がない県は、宮崎・徳島・群馬の3県です。

日本人でも外国からの観光客でも「日本らしさ」を求めて来る京都は、どの季節も観光客でいっぱいですが、マニアックな魅力がある奈良は比較的空いていて、のんびりと古代を偲んで歩き回るのには最適です。

奈良と京都、それぞれの良さとは

京都の良さは、誰でも味わうことができる分かりやすい「日本らしさ」で、全てを見て歩くことができないほど多くの寺社などが存在します。

1000年の都といわれる京都は、日本史上様々な事件の舞台となったことから、そのゆかりの地は多数存在していて、その文化と共に興味の尽きない場所として世界的にも有名な都市となっています。

その一方、奈良に遺る建造物は多少の歴史的知識を持って行かれた方が楽しめるようなものが多くなっています。

何の予備知識もなく明日香村へ行ったとしても、ただの田舎としか思えませんが、少しだけ興味を持って調べてみるとこれほど歴史的魅力にあふれた場所は珍しく、また現在でも遺跡が発掘されている場所は他にはないのです。

京都に比べると、奈良の建造物や風景は素朴ですが、これは1400年以上の歴史を持つ、とてもスケールの大きい素朴さなのです。

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