中国の政治体制や文化に接し、天皇に権力を集中させた中央集権国家体制を築こうとした飛鳥時代に、「豪族」と呼ばれた人たちが影響を与えています。
では、日本の古代にあたる飛鳥時代に登場した「豪族」とは、一体何者だったのでしょうか?
国家運営にあたる朝廷を支えるイメージのある領地を支配する豪族たちは、どれほどの権力や勢力を持ち、どんな役割を果たしていたのでしょうか?
ここでは、飛鳥時代の国家体制構築に影響を与えた「豪族」について、ご紹介します。
飛鳥時代に存在した「豪族」とは?
飛鳥時代の豪族とは、古代日本の国王である天皇を支えた職能集団にあたり、天皇や朝廷に直接関わる「中央豪族」と地方で力をもった「地方豪族」に大別されます。
天皇に権力を集中させる中央集権国家体制が徐々に確立されるにつれ、「豪族」は、臣や連などの区分が生じています。
臣や連のトップは「大臣」「大連」と呼ばれ、それぞれ、蘇我氏と物部氏がその地位に就いています。
蘇我氏は、海外との交易や外交を握り、国家の財政を左右する財力を持って、権力と朝廷への影響力を有したと考えられます。
一方、物部氏は、物部神道と呼ばれる神主の側面も持っていたことから、天皇に代わり神仏を司る氏族として、神社を武器庫としても利用しています。
飛鳥時代の国家体制に「豪族」は、どんな影響を与えたか?
飛鳥時代は天皇家に権力を集中させ、その権威をもって国家統治しようとした王権でしたが、国家や政権の実質的な運営は「豪族」が担っています。
蘇我氏や物部氏、大伴氏などの中央豪族をはじめ、宗形氏や尾張氏、大海氏など地方行政を担った地方豪族らなしには、国家体制の構築はできなかったと考えられます。
それほど飛鳥時代の「豪族」の存在は大きかったものの、天皇家の意志や主張を率直に反映した国家運営にも影響を与えています。
そんな「豪族」らは、聖徳太子の登場や「大化の改新」を経て、その存在や国家運営への影響力を変化させています。
飛鳥時代の天皇家に影響を与えた「豪族」
飛鳥時代の日本は中央と地方で権力を有した「豪族」らが、盟主の権威をもつ天皇家を支えて成立した王権国家体制でした。
蘇我氏や物部氏などの中央豪族らは、国家に必要な財力や軍事力、外交などさまざまな面に実力を有していました。
つまり、「豪族」がいなければ、飛鳥時代の国家運営や国家体制の維持できなかったといえます。
実質的な国家運営にも多大な影響を与えた「豪族ら」は、聖徳太子や大化の改新により、その立場を変化させていきます。