飛鳥時代を代表する建築物である法隆寺の仏像の魅力とは?

飛鳥時代に建立された法隆寺、別名「斑鳩寺」は、奈良を代表する寺院です。

今回は、ユネスコの世界遺産として日本で初めて登録された法隆寺の、仏像やその魅力について詳しくご紹介していきます。

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法隆寺の歴史

法隆寺は飛鳥時代、607年に推古天皇と聖徳太子が建立し、薬師如来像を祀ったのが始まりとされています。

聖徳太子の父である第31代天皇・用明天皇が自身の病気平癒のために建立を発願しましたが、志半ばで亡くなってしまったために、その遺志を継いだともされています。

日本書紀によれば、670年に落雷による火災で伽藍や塔が焼失してしまいましたが、その後すぐに再建されてそれらの建築物のほとんどが当時の姿のまま現在まで残っています。

法隆寺は世界最古の木造建築であり、日本と大陸の文化交流を示すものとして、1993年に世界文化遺産に登録されました。

現在、日本にある国宝の仏像の数は131体で、そのうちの17体は法隆寺が保有しており、これは同じ奈良県にある興福寺とともに日本一となっています。

ちなみに仏像の数え方は、普通は「1体・2体」で、他にも「1尊・2尊」「1躯・2駆」など数種類存在しています。

法隆寺の仏像

法隆寺の西院伽藍は現存する世界で最古の木造建造物群とされていますが、その中には多くの貴重な仏像が祀られています。

まずは中門の両側にある、阿・吽(うん)の一対の仁王像は、どちらも塑像(木、もしくは金属の芯に粘土で肉付けしたもの)です。

この像は711年に造られてからほぼ野ざらし状態で安置されていたにも関わらず、現在まで1300年間も立ち続けているという、現存する最古の金剛力士像です。

法隆寺には本堂というものがなく、金堂が本堂と同じ位置づけとなっており、そこには釈迦三尊像(国宝)・薬師如来像(国宝)・阿弥陀三尊像(重要文化財)が祀られています。

他にも、日本最古の四天王像、木造毘沙門天立像、吉祥天立像など、一度は見ておきたい仏像が全部で17体所蔵されています。

飛鳥時代の仏像の特徴と魅力

飛鳥時代の仏像の一番の特徴として、古代ギリシャの人物彫刻特有の「アルカイックスマイル」にあります。

アルカイックスマイルとは、結んだ唇の両端がやや上向きで微笑んでいるような表情のことを指し、「古拙の微笑」ともいわれます。

目は「杏仁形」で、杏仁とは杏(あんず)の種の中の核のことで、アーモンドアイとも呼ばれており、瞼の上下が同じ弧を描いていることが特徴です。

これは、正面からの礼拝や鑑賞を意識して作られたものとされており、服はインドの像のような薄着ではなく、中国の影響を受けた厚着です。

飛鳥時代の仏像は日本が国際的な交流を持ったことによって、さまざまな国の影響を受けています。

そして1400年も前に作られた仏像の優しい微笑みは、私たち現代人の心を癒してくれる、それが大きな魅力と言えるのではないでしょうか。

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